渋谷ヒカリエ8階にオープンした
川本喜八郎人形ギャラリーに行って来ました。


※弊ブログが、「普通の」人形劇ファンの皆さまのお目に止まることを
招くであろうこの記事は、一定の時間が経過したら削除するかもしれません。
【展示内容】
人形劇三国志 19体 (展示左から)
郭嘉 曹操 夏侯淵 李儒 王允 貂蝉 董卓 陳宮 呂布(赤兎に騎乗) 関羽 張飛 劉備 趙雲 ホウ統 孔明 周瑜 孫権 魯粛
なかやまの目が確かであれば、全て、放送に出演していた人形ではありませんでした。
皆、「初めまして」だと感じました。
「あの人形に会いたい」とお考えのおかたは、飯田の美術館へ行かれたほうが良いと思います。
しかし、川本先生の人形美術史上という観点からみれば、
とても興味深い展示であると申し上げたいです。
以下、このなかやまが、ヒカリエの人形たちにいだいた所感を
述べさせていただきます。
【天の時 -時代を拓く覇者曹操-】
郭嘉
顔立ちに顕著な違いはなかったが、「初めまして」である印象が強かった。
衣装はベージュ系で、早世した郭嘉にしては落ち着いた装い。
曹操
背が低いことが強調されているように感じた。頭部がやや大きく見える気がしたので、
他の曹操人形と身長は同じでも、等身が下がったのかもしれない。
横目づかいは放送の曹操と似た印象だが、正面から見た顔が違う。
額の両端がより出っ張ったような感じで、新三国のような愛嬌が加わっている。
鎧に花模様がなく、シンプルな黄金色。
夏侯淵
顔立ちは似ているが、あの黄色のネッカチーフがないので、別人の趣。
鎧がみるからに新しく、装束はオレンジを基調に江東のようなカラーリング。
【密かなる謀 -連環の計-】
李儒
迷彩柄のようなラメ感のある衣装がおどろおどろしい。この衣装で収録してもよかったかもしれない。
王允
老け役はしっくり来て落ち着く。放映の人形よりも苦悩や枯れが強調されているように思えた。
貂蝉
放映の人形よりも仇っぽさが薄く、可憐な印象。歩揺の細工が上品で美しい。
あの特徴的な鳥のデザインは同じだが、
この髪飾りは放映の貂蝉には地味かもしれない。
董卓
安定の暴君。王允と共に違和感が少ない。
陳宮
あのキョンシーの帽子なのに、黒以外の色だとインパクトが弱まり、
顔立ちに目が行く。放映の人形とほぼ同じと思うが、
小さな目にこもった意志に気づかされた。
呂布
やや垂れ目、垂れ眉、放映の人形よりも優しげな顔立ち。
牡丹柄の、あの華々しい鎧ではないが、逆に赤兎が引き立って騎馬像としては調和している。
【人の和 -玄徳の旗揚げ-】
関羽
顔立ちはほぼ同じ印象。愛されている。
磐石の構え。あごをあげて遠くを見て、セッティングしたかたの愛情を感じる。
鬢のわずかに張り出た結い方が、放映の人形の結い方よりも
更に品と知性があって好ましい。
川本先生が結ったままだったなら、こちらの関羽を支持したい。
張飛
安定の愛くるしさ。みんなのエンジェル。眉の嵩が強調気味かもしれない。
劉備
視線が遠い。放映の人形に対して、眉間のあたりの胆力が少ない。
目も若干まるいように感じた。
帽子の造型が、大きな耳に対してまだ不似合いに見える。
帽子は試作品かもしれない。
ポージングが直るともう少し殿らしさが出るかもしれない。
若干、顎が上がり気味で、殿らしからぬ上から目線の印象が否めない。
趙雲
放映の人形よりも肌色に赤みを感じた。より武官である面を表現した造型かもしれない。
相変わらず爽やかな緑色が似合う男。
兜の白房は、脇に垂らして色気を出さずに、行儀よく全部背後にまとめたほうが
更に胆らしかったかもしれない。
ホウ統
放映の人形よりも品が良い。
着衣もこぎれいで、きちんと着こなしていて、意外な解釈。
茶色の眼に瞳が入っていないせいか、視線が定まらず、
神仙の趣も醸している。あばたの痕も作ってあるのにあまり目が行かない。
孔明
まぶたのボリュームが、放映の人形よりも薄いように感じた。
眠そうな印象が薄い。ライティングの加減のせいなのか、
孔明の人形は左半分の顔が特に味わいがあると感じている部分が
あまり引き立っていなかったように見えた。
内側に着ている着物の水色が薄く、殿のそばでもないので、若やぎが少ない。
周瑜と並べて舌戦やレッドクリフを意識した配置のためかもしれない。
【地の利 -赤壁に智を戦わす-】
周瑜
放映の人形に比べてやや下膨れで、釣りあがった眉の角度も1℃ほど緩く感ずる。
歌舞伎の隈取のような特徴が強かった周瑜の顔だったが、
この人形にはやや抑制が見える。
装束と鎧の色彩美も抑え目。戦袍の袖が地味な灰色であったのが意外。
もう少し、紅色と青色の強い色が入った方が似合うかもしれない。
夏侯淵の鎧の方がむしろ周瑜向きにみえる。
孫権
放映の人形に比べて、碧眼紅毛が強調された造型に見える。
装束はもうすこしエスニックな雰囲気にまとまったほうが良かったかもしれない。
黒地に一対の蝶の柄は、曹操の方が似合うかもしれない。
魯粛
安定の好人物。放映の人形とほぼ同じ造型に見える。
やや左目が大きめかもしれない。びっくりしたようなポーズも似つかわしい。
<我々ファンができることは>
出入り口に、来館者が記帳できる大学ノートがありました。
少しめくってみますと、川本先生のお人形を都内で見ることができることに対する
喜びや興奮や懐かしさが綴られているとともに、パンフレットやチラシを置いて欲しいという
要望が目につきました。
入室した時には、なかやまもそれらの要望を持ちましたが、約45分後に退室する時には、
そっと胸の中にしまいました。
どのような経緯で、川本先生のお人形を渋谷区が展示できるようになったのかは、
ギャラリー入り口の「金王丸」の人形に、先生と渋谷区との何らかの関連を
窺がうのみで、詳細はわかりませんが、おそらく、現段階では
予算を割くことができないのでありましょう。
区を擁護するつもりはなく、このギャラリーがこの内容のままでよいとも思いませんが、
印刷物を無料配布にするにも財源が必要です。
それを、税金から捻出となれば、区民の全てが人形劇ファンではない以上、
まとまった予算がとれないであろうことは明白です。
有料にして物販をともなうと、もっと予算が必要です。
あれも欲しいこれも欲しい、川本先生のギャラリーなら、ハイレベルであって欲しい。
熱心なファンであればあるほど、現在のギャラリーに不満や不安があることでしょう。
「がっかり」や「残念」を連発することは率直ではありますが、
我々ファンには何ができるのか、すぐに名案はうかばなくても
気にかけてゆきたいものだと、考えさせられました。
例えば、ハコモノの単純にして時に絶対的評価数値である「来館者数」を実績とできるよう、
まめにリピートしてみるなど、まずおのおの、地道にできることから始めるべきだと思いました。
このギャラリーが育ってゆくための智恵やきっかけを、我々人形劇三国志を愛するファンの中から
提案してゆけたなら、我々はいつか九泉の下で川本先生とお話できることが増えるのにと、
思いつくかどうかはわかりませんが、智恵をしぼってみたいと思うばかりです。
そして、息を止めて役柄を演じるのを待っているこの人形たちが、
いつの日か操演されて、命が吹き込まれる日が来ますようにと、
祈らずにはいられません。
(記事は削除する場合がありますので、コメントはメールフォームをご利用ください)
川本喜八郎人形ギャラリーに行って来ました。
※弊ブログが、「普通の」人形劇ファンの皆さまのお目に止まることを
招くであろうこの記事は、一定の時間が経過したら削除するかもしれません。
【展示内容】
人形劇三国志 19体 (展示左から)
郭嘉 曹操 夏侯淵 李儒 王允 貂蝉 董卓 陳宮 呂布(赤兎に騎乗) 関羽 張飛 劉備 趙雲 ホウ統 孔明 周瑜 孫権 魯粛
なかやまの目が確かであれば、全て、放送に出演していた人形ではありませんでした。
皆、「初めまして」だと感じました。
「あの人形に会いたい」とお考えのおかたは、飯田の美術館へ行かれたほうが良いと思います。
しかし、川本先生の人形美術史上という観点からみれば、
とても興味深い展示であると申し上げたいです。
以下、このなかやまが、ヒカリエの人形たちにいだいた所感を
述べさせていただきます。
【天の時 -時代を拓く覇者曹操-】
郭嘉
顔立ちに顕著な違いはなかったが、「初めまして」である印象が強かった。
衣装はベージュ系で、早世した郭嘉にしては落ち着いた装い。
曹操
背が低いことが強調されているように感じた。頭部がやや大きく見える気がしたので、
他の曹操人形と身長は同じでも、等身が下がったのかもしれない。
横目づかいは放送の曹操と似た印象だが、正面から見た顔が違う。
額の両端がより出っ張ったような感じで、新三国のような愛嬌が加わっている。
鎧に花模様がなく、シンプルな黄金色。
夏侯淵
顔立ちは似ているが、あの黄色のネッカチーフがないので、別人の趣。
鎧がみるからに新しく、装束はオレンジを基調に江東のようなカラーリング。
【密かなる謀 -連環の計-】
李儒
迷彩柄のようなラメ感のある衣装がおどろおどろしい。この衣装で収録してもよかったかもしれない。
王允
老け役はしっくり来て落ち着く。放映の人形よりも苦悩や枯れが強調されているように思えた。
貂蝉
放映の人形よりも仇っぽさが薄く、可憐な印象。歩揺の細工が上品で美しい。
あの特徴的な鳥のデザインは同じだが、
この髪飾りは放映の貂蝉には地味かもしれない。
董卓
安定の暴君。王允と共に違和感が少ない。
陳宮
あのキョンシーの帽子なのに、黒以外の色だとインパクトが弱まり、
顔立ちに目が行く。放映の人形とほぼ同じと思うが、
小さな目にこもった意志に気づかされた。
呂布
やや垂れ目、垂れ眉、放映の人形よりも優しげな顔立ち。
牡丹柄の、あの華々しい鎧ではないが、逆に赤兎が引き立って騎馬像としては調和している。
【人の和 -玄徳の旗揚げ-】
関羽
顔立ちはほぼ同じ印象。愛されている。
磐石の構え。あごをあげて遠くを見て、セッティングしたかたの愛情を感じる。
鬢のわずかに張り出た結い方が、放映の人形の結い方よりも
更に品と知性があって好ましい。
川本先生が結ったままだったなら、こちらの関羽を支持したい。
張飛
安定の愛くるしさ。みんなのエンジェル。眉の嵩が強調気味かもしれない。
劉備
視線が遠い。放映の人形に対して、眉間のあたりの胆力が少ない。
目も若干まるいように感じた。
帽子の造型が、大きな耳に対してまだ不似合いに見える。
帽子は試作品かもしれない。
ポージングが直るともう少し殿らしさが出るかもしれない。
若干、顎が上がり気味で、殿らしからぬ上から目線の印象が否めない。
趙雲
放映の人形よりも肌色に赤みを感じた。より武官である面を表現した造型かもしれない。
相変わらず爽やかな緑色が似合う男。
兜の白房は、脇に垂らして色気を出さずに、行儀よく全部背後にまとめたほうが
更に胆らしかったかもしれない。
ホウ統
放映の人形よりも品が良い。
着衣もこぎれいで、きちんと着こなしていて、意外な解釈。
茶色の眼に瞳が入っていないせいか、視線が定まらず、
神仙の趣も醸している。あばたの痕も作ってあるのにあまり目が行かない。
孔明
まぶたのボリュームが、放映の人形よりも薄いように感じた。
眠そうな印象が薄い。ライティングの加減のせいなのか、
孔明の人形は左半分の顔が特に味わいがあると感じている部分が
あまり引き立っていなかったように見えた。
内側に着ている着物の水色が薄く、殿のそばでもないので、若やぎが少ない。
周瑜と並べて舌戦やレッドクリフを意識した配置のためかもしれない。
【地の利 -赤壁に智を戦わす-】
周瑜
放映の人形に比べてやや下膨れで、釣りあがった眉の角度も1℃ほど緩く感ずる。
歌舞伎の隈取のような特徴が強かった周瑜の顔だったが、
この人形にはやや抑制が見える。
装束と鎧の色彩美も抑え目。戦袍の袖が地味な灰色であったのが意外。
もう少し、紅色と青色の強い色が入った方が似合うかもしれない。
夏侯淵の鎧の方がむしろ周瑜向きにみえる。
孫権
放映の人形に比べて、碧眼紅毛が強調された造型に見える。
装束はもうすこしエスニックな雰囲気にまとまったほうが良かったかもしれない。
黒地に一対の蝶の柄は、曹操の方が似合うかもしれない。
魯粛
安定の好人物。放映の人形とほぼ同じ造型に見える。
やや左目が大きめかもしれない。びっくりしたようなポーズも似つかわしい。
<我々ファンができることは>
出入り口に、来館者が記帳できる大学ノートがありました。
少しめくってみますと、川本先生のお人形を都内で見ることができることに対する
喜びや興奮や懐かしさが綴られているとともに、パンフレットやチラシを置いて欲しいという
要望が目につきました。
入室した時には、なかやまもそれらの要望を持ちましたが、約45分後に退室する時には、
そっと胸の中にしまいました。
どのような経緯で、川本先生のお人形を渋谷区が展示できるようになったのかは、
ギャラリー入り口の「金王丸」の人形に、先生と渋谷区との何らかの関連を
窺がうのみで、詳細はわかりませんが、おそらく、現段階では
予算を割くことができないのでありましょう。
区を擁護するつもりはなく、このギャラリーがこの内容のままでよいとも思いませんが、
印刷物を無料配布にするにも財源が必要です。
それを、税金から捻出となれば、区民の全てが人形劇ファンではない以上、
まとまった予算がとれないであろうことは明白です。
有料にして物販をともなうと、もっと予算が必要です。
あれも欲しいこれも欲しい、川本先生のギャラリーなら、ハイレベルであって欲しい。
熱心なファンであればあるほど、現在のギャラリーに不満や不安があることでしょう。
「がっかり」や「残念」を連発することは率直ではありますが、
我々ファンには何ができるのか、すぐに名案はうかばなくても
気にかけてゆきたいものだと、考えさせられました。
例えば、ハコモノの単純にして時に絶対的評価数値である「来館者数」を実績とできるよう、
まめにリピートしてみるなど、まずおのおの、地道にできることから始めるべきだと思いました。
このギャラリーが育ってゆくための智恵やきっかけを、我々人形劇三国志を愛するファンの中から
提案してゆけたなら、我々はいつか九泉の下で川本先生とお話できることが増えるのにと、
思いつくかどうかはわかりませんが、智恵をしぼってみたいと思うばかりです。
そして、息を止めて役柄を演じるのを待っているこの人形たちが、
いつの日か操演されて、命が吹き込まれる日が来ますようにと、
祈らずにはいられません。
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