21世紀パラレル

天府雨聲(21世紀 成都)

  「どこぞへ、朝粥でも食べにゆこうぞ」   明け方に残れる街灯が成都の錦江の水面に潤み、古都の風情をしっとりと描き出す窓の景色を背に、  まるで家族に言うような口調で彼は秘書を誘った。     彼よりも廿も歳若い秘書は、小さな社長室の応接ソファで仮眠を取った疲れも淡く、控えめに...

3世紀中編 天府南門橋

天府南門橋 廿参

「そうじゃ。張府にの。遣いを頼む」 翌朝の書房で、彼は傍らの侍従に命じた。 「かしこまりました。……して御用の向きは」 「うむ、褒美の銀をな」 まさか「昨夜、張府の招宴に応じて出かけた」とは言えぬので、 彼は一旦、言葉を濁した。 しかし、その濁しを侍従に気取られぬように、 いつも...

漢昭烈 忌辰紀念2025(総集編)

※ 音量注意 PCだと最初の画面横伸びしてますが大丈夫です 今年の見どころは宮姐の美人軍師(ボソ  毎年恒例のファン活動の総集編です (日本語版) スマホ推奨です (PCだと粗くなるかも)

襄陽秋水

襄陽秋水 (完)

 ──御心の中には、深きお嘆きと……お悲しみが…… 龍は、日ごろ限りなき君恩に浴し、心が翳る時ですらも、彼と共にありさえすれば生きられるという実感に、たびたび救われている。 それは彼が、天与の底なしの懐の深さを備えているうえに、彼の天性が人を活かすことに長けており、そして彼の人柄...